大学院教育
化学の研究対象は、気・液・固相の物質すべてであり、金属単体や簡単な無機・有機化合物から複雑な生体関連分子まで多岐にわたります。研究の指向性も、物質の特性・挙動を微視的に解明する純粋に探求的な立場と、物質を活用しての社会貢献を目指す立場の両面を含んでいます。化学のこのような多様性・重層性に対応すべく、本専攻の研究・教育分野は、主に、理論・物理化学・環境化学、無機・物性化学、有機化学、生体関連化学の4研究領域からなります。特に、物質現象を原子・分子レベルで実験的にとらえ明解明するだけでなく、理論的な概念やモデルに基づく定量的理解のためには量子力学や統計力学などの基本法則の習得が不可欠との認識から、理論系研究室2つを有し、実験系研究室とのバランスを保っています。上記4領域の研究統合により、化学反応の完全な記述や任意分子の自在な合成法の確立など、基礎的で革新的な研究を進めるとともに、化学構造と物性の相関解明による新物質の構築や生命現象など高度に複雑な系への化学的基礎概念の拡張を計ることが、本専攻の研究目的であり、それに向かって邁進しうる研究者を育成するための大学院教育を行っています。
学生諸君は、広く学び、深く考え、納得の行くまで研究し、議論し、時代に迎合する事なく、新たな潮流を作る出す研究者であってほしいと思います。
履修や科目内容の詳細につきましては、冊子「学事要項」ならびにKULASIS 京都大学教務情報システム の理学部のシラバスを参照ください